近年、AIは様々なところで重要視されいます。最近ではディープラーニングなどという言葉をよく聞きます。ディープラーニングとはAI自身が学習し、自ら賢くなるものをいうのですが,それだけがAIではありません。
今回はAIのうちの一つ、遺伝的アルゴリズムを紹介したいと思います。
遺伝的アルゴリズムとは?
遺伝的アルゴリズムとは、AIが与えられた課題に対して、もっともよいとされるものを得るアプローチのことです。
つまりどういうことなのか。ユーチューブに面白い動画がありました。
[参考]
遺伝的アルゴリズムでブランコの漕ぎ方を学習させた。Long版/物理エンジン【むにむに】
以上の動画はブランコをより大きい振れ幅で漕ぐには、どのように漕いだらよいのか検証した結果です。
動画の初めにブランコを漕いでいる青い人は、作者がこのように漕いだらいいだろうとあらかじめ予測して組み込んだ動作です。
赤い人ははじめでたらめな動きをしていますよね。これはコンピュータがランダムで作成した動きです。
この赤い人をたくさん用意します。その中でもっともブランコを大きい振れ幅で漕いでいた人をこの動画では4人ピックアップして、その人たちの動きを踏襲した新しい赤い人をまた同じ人数用意します。
そしてまたその中から、もっとも大きい振れ幅でこいていた人を4人ピックアップして、その人たちの動きを踏襲した新しい赤い人を同じ人数作る…
これをずっと繰り返し、変化が起こらなくなったら終了。その動きがもっともよい動作と判定します。
これがAIの一つ遺伝的アルゴリズムです。これは私たちの身の周りの様々な場所で応用されています。
身の周りの遺伝的アルゴリズム
私たちの身の周りには人工知能によって実現されているものが数多くあります。その中でも今回取り上げた遺伝的アルゴリズムを使って実現されているものを紹介したいと思います。
1.新幹線の先頭車両
新型新幹線「N700系」の先頭車両の構造は、この遺伝的アルゴリズムによって実現されています。
新型新幹線「N700系」 の先頭車両の形は、速く走れるようになったため、遺伝的アルゴリズムにより風の抵抗を少なくするこの形に進化しました。
2.カーナビ
カーナビでも、遺伝的アルゴリズムを使えるようにする研究が進められています。
例えば、ある場所によってから次の場所に行くための最短距離や、その時の交通状況を考え、最短時間でたどりつけるようになるカーナビの研究も進められています。
まとめ
遺伝的アルゴリズムは、普通考えつかないようなものを検証する際に大きな役割を持ちます。また作ったものを評価する基準があれば遺伝的アルゴリズムは使えるわけです。
これを応用すれば、AIが作ったもので自分が気に入ったものを選ぶだけで勝手にAIがさらによいものを作ってくれたり、こうしてほしいと最初に条件を入れるだけでその条件を満たす最も良いものを勝手に作ってくれるので、遺伝的アルゴリズムのさらなる実用化に期待ですね。